大判例

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東京高等裁判所 平成7年(行ケ)222号 判決

香川県高松市新田町甲34番地

原告

株式会社タダノ

代表者代表取締役

多田野久

訴訟代理人弁理士

大浜博

東京都品川区東大井1丁目9番37号

被告

株式会社加藤製作所

代表者代表取締役

加藤正雄

訴訟代理人弁理士

御園生芳行

主文

1  特許庁が平成6年審判第9677号事件について平成7年7月21日にした審決を取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

事実

第1  当事者が求める裁判

1  原告

主文と同旨の判決

2  被告

「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決

第2  請求の原因

1  特許庁における手続の経緯

被告(審判被請求人)は、名称を「トラツククレーンにおけるアウトリガ」とする特許第1665937号発明(以下、「本件発明」といい、本件発明の特許を「本件特許」という。)の特許権者である。なお、本件特許は、昭和52年9月7日出願の昭和52年特許願第106799号(以下、「原原出願」という。)の一部を分割出願した昭和55年特許願第62781号(以下、「原出願」という。)の一部をさらに分割した昭和63年特許願第225259号に係るものであって、平成2年3月27日に特許出願公告(平成2年特許出願公告第12781号。同公告公報を、以下、「本件明細書」という。)、平成4年5月29日に特許権設定登録がなされたものである。

原告(審判請求人)は、平成6年6月9日、本件発明の特許を無効にすることについて審判を請求し、平成6年審判第9677号事件として審理された結果、平成7年7月21日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決がなされ、その謄本は同年8月21日原告に送達された。

2  本件発明の要旨(別紙図面参照)

特許請求の範囲1

車体フレーム下側の横方向に設けた二重樋状案内部材の両案内路の互いに対向する一端部上側位に、端縁が当該車体巾一杯に延びる筒状アームを配し、該筒状アームの基部を前記車体フレームの側壁部に固着すると共に、前記筒状アームの底板下面が、前記両案内路に伸縮可能に挿入され、断面が長方形状をなす水平ビーム頂壁の受面として構成され、かつ、前記筒状アームの底板端部に、前記水平ビーム端部に突設された伸縮支脚上部の遊嵌可能な外開き切欠を形成すると共に、該外開き切欠まわりの側板下部に、前記水平ビーム頂壁の受面を有する補強片を一体状に設けたことを特徴とするトラツククレーンにおけるアウトリガ

特許請求の範囲2

前記底板端部の外開き切欠まわりの側板下部に、一体状に設けた補強片の下縁が下方に延長され、前記水平ビームの頂壁側面のガイド片を構成したことを特徴とする特許請求の範囲1項記載のトラツククレーンにおけるアウトリガ

特許請求の範囲3

前記筒状アームの底板端部の外開き切欠より内側位に、該筒状アームの底板、頂板、側板を連結する隔壁板を溶着したことを特徴とする特許請求の範囲1項記載のトラツククレーンにおけるアウトリガ

3  審決の理由の要点

(1)本件発明の要旨は、その特許請求の範囲に記載された前項のとおりと認める。

(2)原告の主張

〈1〉 本件明細書の「発明の詳細な説明」の記載は、本件発明の構成部材それ自体の意味や各構成部材相互間の関係を説明する用語の意味又は実質的内容について、当業者が理解しがたい程に不明瞭なところが多く、本件明細書の記載は特許法36条4項及び5項(昭和60年法律第41号による改正前の規定。以下、同じ。)に規定する要件を満たしていないから、本件特許は同法123条1項3号(平成6年法律第116号による改正前の規定。以下、同じ。)に該当し無効とされるべきものである。具体的には、

a 本件明細書には「二重樋状案内部材」の目的、構成、効果についての記載が、実施例に関する記載の外にないから、本件発明における「二重樋状案内部材」の構成を明瞭に理解できない(以下、「原告の主張〈1〉a」という。)。

b 「二重樋状案内部材」の構成に関する実施例の説明中には「断面が長方形状」などと図面とは一致しない説明があり、また、本件明細書に「二重樋状案内部材23は肉薄の板で断面が長方形状をなす軽重量のものとして構成され」(9欄11行、12行)の記載があるから、本件明細書に記載された実施例の記載をもってしても、「二重樋状案内部材」の構成は明らかでない(以下、「原告の主張〈1〉b」という。)。

c 特許請求の範囲における「二重樋状案内部材の両案内路の互いに対向する一端部」の記載は、その意味が不明である(以下、「原告の主張〈1〉c」という。)。

d 特許請求の範囲における「筒状アームの基部を車体フレームの側壁部に固着する」構成が不明である。

e 特許請求の範囲における「補強片を一体状に設けた」の構成は、不明瞭である。

〈2〉 本件明細書には、原出願又は原原出願の願書に添付された明細書(以下、「原出願の明細書」又は「原原出願の明細書」という。)に記載されていない新規事項の追加があるから、本件明細書の記載は、原出願又は原原出願の明細書の記載が実質的に変更又は拡張されており、本件特許は適法な分割出願に係る発明について権利が設定されたものではなく、本件特許の出願は現実の出願日である昭和63年9月8日になされたものである。具体的には、

a 原出願の明細書には「案内部材(二重案内樋)」又は「二重案内樋」の記載があるだけで、「二重樋状案内部材」の記載はなく、一方、本件明細書には「二重樋状案内部材」の記載があり、二重樋状案内部材には樋以外のものが含まれるから、原出願及び原原出願の明細書に記載された「案内部材(二重案内樋)」又は「二重案内樋」の拡張に当たり、又、本件明細書の実施例の説明における「断面が長方形状」との用語の組合わせからも、「二重樋状案内部材」は、原出願及び原原出願の明細書の記載の実質的な拡張に当たる。

b 本件発明の特許請求の範囲には「筒状アームの基部を前記車体フレーム側壁部に固着する」という記載があり、本件明細書には「水平底板9の基部は車体フレーム1の下面に溶着きれる」(8欄3行、4行)との記載がある。一方、原原出願の明細書には「7は車体フレーム1の第1図右側側壁に基部を溶着されて車巾一杯に突出するアーム」(昭和54年特許出願公開第42719号公報2頁右上欄18行、19行)の記載があるだけで、「水平底板9は車体フレーム1の下面に溶着される」ことを示す記載はないから、本件発明が「筒状アーム7の水平底板9の基部が車体フレーム1の下面に溶着される」ものを含むとすれば、本件発明は原原出願に包含される発明とはいえず、したがって、本件特許は原出願又は原原出願の適法な分割出願に係る発明に対して付与されたものとはいえない。

c 本件発明の特許請求の範囲には「外開き切欠まわりの側板下部に、前記水平ビーム頂壁の受面を有する補強片を一体状に設けた」という記載があり、また、本件明細書には「筒状アームの基部を補強用隔壁板の溶着により、また、端部をその側板下部の補強片の溶着によりそれぞれ補強した」(11欄16行ないし18行)との記載があるが、原出願の明細書には、「補強片を筒状アームの側板下部に溶着する」ことによって一体化することを明記した記述はどこにも存在しない。

〈3〉 本件特許は、原出願及び原原出願の適法な分割出願に係る発明に対してなされたものとはいえず、本件特許の出願は現実の出願日である昭和63年9月8日になされたものであることを前提として、本件発明は本件特許出願前に国内において頒布された昭和61年特許出願公告第22679号公報(以下、「甲第10号証刊行物」という。)あるいは昭和54年特許出願公開第42719号公報(以下、「甲第11号証刊行物」という。)に記載されている発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであって、特許法29条2項に規定される発明に付与されたものであるから、同法123条1項の規定により無効とされるべきである。

(3)被告の主張

〈1〉 原告の主張〈1〉について

本件明細書の記載は、本件発明の属する技術分野における当業者であれば、本件発明を容易に実施できる程度に記載されている。

〈2〉 原告の主張〈2〉について

本件明細書及び図面には、原出願及び原原出願の明細書又は図面に記載された事項以外の新規事項の記載はなく、本件特許が原出願及び原原出願の適法な分割出願に係る発明についてなされたものであることは明らかである。

〈3〉 原告の主張〈3〉について

本件特許は、原出願及び原原出願から特許法44条1項の規定(平成6年法律第116号による改正前の規定。以下、同じ。)に基づいて適法に分割出願された発明についてなされたものであり、本件特許の出願日が原原出願日の昭和52年9月7日まで遡及することは明らかであるから、同日より後に国内において頒布された甲第10号刊行物及び甲第11号証刊行物記載の発明をもって、本件発明の進歩性を否定する原告の主張は、特許法29条2項たいう「前項各号に掲げる発明」に当たらない発明が、特許法29条1項3号の発明に該当することを前提とするものであり、その前提に誤りがある。

(4)判断

〈1〉 原告の主張〈1〉について

a 二重樋状案内部材が水平ビーム3の案内機能を奏することは、本件明細書に「車体フレームの下部横方向に設けた二重樋状案内部材の案内路に挿入した水平ビームを、互いに反対方向に伸長させ」(6欄26行ないし28行)という記載から理解されることである。

b 本件発明の特許請求の範囲には「筒状アームの底板下面が、前記両案内路に伸縮可能に挿入され、断面が長方形状をなす水平ビーム頂壁の受面とし」どの記載があり、また、本件明細書には「二重樋状案内部材23は肉薄の板で断面が長方形状をなす軽重量のものとして構成され」(9欄11行ないし13行)との記載があるが、後者の記載は「二重樋状案内部材23は肉薄の板で断面が「頂部の開放する」長方形状をなす軽重量のものとして構成され」のことである。このことは、本件発明の実施例を示す図面に、断面が「頂部の開放する」長方形状をなす案内部材23のみが図示されていることによって裏付けられており、この二重樋状案内部材23の「頂部の開放する」ことは、本件明細書及び図面の記載から当業者が理解できる。

c 「二重樋状案内部材」は水平ビーム3の案内機能を奏するもので、その断面が「頂部の開放する」長方形の二重樋状案内部材であって、図示の実施例のような断面形状を有する構成のものであれば足り、本件明細書の記載は不明瞭ではない。

d 本件発明の特許請求の範囲には、筒状アームの「水平底板9の基部を車体フレーム1の下面に溶着する」旨の記載はないから、筒状アームの「水平底板9の基部を車体フレーム1の下面に溶着する」か否かの点は、本件発明の構成要件「筒状アームの基部を車体フレームの側壁部に固着する」構成に関わりのないことである。

e 原出願及び原原出願の願書に添付された明細書記載の補強片の構成に関して、「補強片は筒状アームの側板に一体に構成した」ものが、仮に溶接、鍛造、鋳造等のいずれであろうと、両者が一体状に構成されたものであることには変わりなく、しかも、この部分が溶接等の構造であるとの推認には何らの不自然性がないから、本件明細書の「補強片を一体状に設けた」との記載には、不明瞭性はない。

したがって、原告の主張〈1〉は理由がない。

〈2〉 原告の主張〈2〉について

a 本件明細書の記載には原出願及び原原出願の願書に添付された明細書又は図面に記載された事項を越える記載はない。また、同一構造部材を示す図面に示された樋状部分の名称を、本件明細書が「二重樋状案内部材」と称し、原出願及び原原出願の明細書が「案内部材(二重案内樋)」又は「二重案内樋」と称し、両者間に表現上に差があるとしても、両者が共に「樋」の付く水平ビーム3の案内部材であって、その実態に相違のないことは明らかである。

b 本件発明の特許請求の範囲には「筒状アーム7の水平底板9の基部が車体フレーム1の下面に溶着される」ことについての記載はないから、かかる構成を具備するか否かは本件発明が要旨とする構成に関わりのないことである。

c 本件発明の特許請求の範囲には「補強片を筒状アームの側板下部に溶着する」構成についての記載はない。したがって、原告の主張〈2〉は理由がない。

〈3〉 原告の主張〈3〉について

本件特許は、原出願及び原原出願から特許法44条1項の規定に基づいて適法に分割出願された発明についてなされたものであり、本件発明の特許出願が原原出願日である昭和52年9月7日まで遡及することは明らかであるところ、同日より後に国内において頒布された甲第10号刊行物及び甲第11号刊行物記載の発明をもって本件発明の進歩性を否定する原告の主張は、特許法29条2項にいう「前項各号に掲げる発明」に当たらない発明が、特許法29条1項3号の発明に該当することを前提とするものであり、その前提に誤りがある。

したがって、原告の主張〈3〉も理由がない。

(5)以上のとおりであるから、原告が主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件明細書及び図面の記載が特許法36条4項及び5項に規定する要件を満たしていないという原告の主張には理由がなく、また、本件発明が原出願及び原原出願の明細書又は図面に記載されていないことを理由に、本件特許が特許法44条1項の規定に違反して分割出願された発明に対してなされたもので、その出願日は現実の出願日になることを前提として、本件特許は、その進歩性が甲第10号刊行物及び甲第11号刊行物により否定されるべき発明に対してなされたとしてその無効をいう原告の主張は、その前提に誤りがあるので理由がない。

4  審決の取消事由

審決は、原告が主張した特許無効事由に対する判断を遺脱し、かつ、原告の主張〈1〉aないしcについての判断を誤った結果、本件明細書の記載は特許法36条4項及び5項に規定する要件を満たしているとしたものであって、違法であるから、取り消されるべきである。

(1)取消事由1(判断遺脱)

〈1〉 原告は、審判手続において、本件発明のアウトリガは「かすがい状支持部材」がなければ車体の荷重(特に、別紙図面第11図の極圧Q)を支持することができないにもかかわらず、本件発明は「かすがい状支持部材」を必須の構成要件としていないから、本件発明は産業上利用することができない未完成のものであって、本件特許は特許法29条1項柱書の規定に違反してされたものである旨、また、仮に「かすがい状支持部材」が必須の構成要件でないとするなら、本件発明の特許請求の範囲には車体の荷重をどのようにして支持するのか記載されておらず、本件特許の出願は特許法36条5項に規定されている要件を満たしていない旨主張した(審判請求弁駁書8頁12行ないし10頁1行)。

しかるに、審決は、原告の上記主張に対する判断を全く示していない。

この点について、被告は、本件発明は車体の荷重を二重樋状案内部材によって支持する(ただし、極圧Rは、補強片を一体状に設けた筒状アームを介して、車体フレームの側壁部で支持する)ものである旨主張する。しかしながら、そのようなことは審決には全く説示されていないし、そもそも本件明細書の10欄6行ないし11行には、二重樋状案内部材は車体の荷重を支持するものではないことが明記されているから、被告の上記主張は失当である。

〈2〉 また、原告は、審判手続において、本件明細書には本件発明が必須の構成要件とする「二重樋状案内部材」の構成及び作用が明確に記載されておらず、とりわけ、「かすがい状支持部材」を構成要件としない場合の「二重樋状案内部材」の講成が不明確であって、本件出願は特許法36条4項に規定されている要件を満たしていない旨主張した(審判講求書9頁1行ないし11頁3行)。

これに対し、審決は、「二重樋状案内部材が水平ビーム3の案内機能を奏することは、本件明細書(中略)の記載から理解される」、本件明細書の「記載は「二重樋状案内部材23は肉薄の板で断面が「頂部の開放する」長方形状をなす軽重量のものとして構成され」のことである」、「「二重樋状案内部材」は水平ビーム3の案内機能を奏するもので、その断面が「頂部の開放する」長方形の二重樋状案内部材であって、図示の実施例のような断面形状を有する構成のものであれば足り」と判断したのみであって、本件明細書において「二重樋状案内部材」の構成(その形状・構造、車体フレームの下側の横方向にどのように配設されるのか等)が明確に記載されているか否かについて明確な判断を示していない。とりわけ、本件明細書には「かすがい状支持部材」がなければ車体の荷重を支持し得ない実施例しか示されていないところ、審決は、「かすがい状支持部材」がない場合の「二重樋状案内部材」の構成が本件明細書に記載されているか否かについての判断を全く示していない。

〈3〉 さらに、原告は、審判手続において、「二重樋状案内部材」の構成(特に、「かすがい状支持部材」がない場合の構成)が不明確である以上、本件発明の特許請求の範囲記載の「二重樋状案内部材の両案内路の互いに対向する一端部上側位」の意味も不明確とならざるをえず、その結果、本件発明が要旨とする「筒状アーム」の配設構成及び作用が不明確であるから、本件出願は特許法36条4項に規定する要件を満たしていない旨主張した(審判請求書11頁4行ないし11頁25行)。

しかるに、審決は、本件明細書に筒状アームの配設構成及び作用が明確に記載されているか否かの判断を全く示していない。

(2)取消事由2(判断の誤り)

〈1〉 審決は、本件明細書には「二重樋状案内部材」の目的、構成、効果についての記載が実施例に関する記載の外にないから、本件発明における「二重樋状案内部材」の構成を明瞭に理解できない旨の原告の主張〈1〉aに対し、「二重樋状案内部材」が水平ビーム3の案内機能を奏することは本件明細書の記載から理解されると説示している。

しかしながら、「二重樋状案内部材」が果たす機能が明らかにされても、その構成を明瞭に理解することはできないから、審決の上記判断は誤りである。

〈2〉 また、審決は、本件明細書には「かすがい状支持部材」が存在しなければ「トラッククレーンのアウトリガ」の発明として成立しない実施例しか示されていないから、実施例の記載をもってしても「二重樋状案内部材」の構成が明らかでない旨の原告の主張〈1〉bに対し、「かすがい状支持部材」の存在を前提とする実施例を示す図面を援用して、「「二重樋状案内部材」23は肉薄の板で断面が「頂部の開放する」長方形状をなす軽重量のものとして構成され」ると説示している。

しかしながら、上記説示のみでは、「かすがい状支持部材」が存在しない場合に、「二重樋状案内部材」がいかなる長さのもので、車体フレーム下側にどのように取り付けられるのか全く明らかにならないから、審決の上記判断は誤りである。

〈3〉 さらに、審決は、「二重樋状案内部材」の構成が不明瞭(特に、「かすがい状支持部材」が存在しない場合)である以上、「二重樋状案内部材の両案内路の互いに対向する一端部上側位に、(中略)筒状アームを配し」の構成が不明瞭である旨の原告の主張を、単に、実施例として図示されている「二重樋状案内部材の両案内路の一端部」の意味の問題と捉えて、原告の主張〈1〉cのように摘示したうえ、二重樋状案内部材は「その断面が「頂部の開放する」長方形の二重樋状案内部材であって、図示の実施例のような断面形状を有する構成のものであれば足り、本件明細書の記載は不明瞭ではない」旨説示している。

しかしながら、上記の説示は、「かすがい状支持部材、が存在する実施例については妥当するとしても、「かすがい状支持部材」を必須の構成要件としない本件発明において、「二重樋状案内部材の両案内路の互いに対向する一端部上側位に、(中略)筒状アームを配し」の構成がいかなるものであるか、何ら明らかにするものではないから、審決の上記判断も誤りである。

第3  請求原因の認否及び被告の主張

請求原因1(特許庁における手続の経緯)、2(本件発明の要旨)及び3(審決の理由の要点)は認めるが、4(審決の取消事由)は争う。審決の認定判断は正当であって、これを取り消すべき理由はない。

1  取消事由1(判断遺脱)について

(1)原告は、本件発明のアウトリガは「かすがい状支持部材」がなければ車体の荷重を支持し得ないから本件発明は産業上利用することができない未完成のものであり、もし本件発明が「かすがい状支持部材」を必須の構成要件としないとするなら、本件出願は特許法36条5項に規定されている要件を満たしていないという原告の主張に対し、審決は全く判断を示していない旨主張する。

しかしながら、トラッククレーンにおいて、水平ビームの案内部材を車体フレームに取り付ける手法には種々のものが本出願前に公知であって、本件発明は、車体の荷重(特に、極圧Q)をどのようにして「二重樋状案内部材」で支持するか、「二重樋状案内部材」を車体フレームへどのように取り付けるかを解決すべき技術的課題とするものでない。そして、明細書あるいは図面の記載不備は、当該発明が完成してい弓ことを前提としてのみ問題となることを考えれば、本件明細書について記載不備の有無を検討している審決の判断が、本件発明は完成したものであることを前提としてなされていることは明らかである。のみならず、原告が本件発明は未完成であると主張する論拠は、審決が原告の主張として摘示した、本件出願は特許法36条4項あるいは5項に規定する要件を満たしていないとの主張の論拠と表裏一体のものである。したがって、審決は、本件発明が未完成であるという原告の主張が当らない旨の判断を、間接的ながら示しているというべきである。

そして、本件発明は、車体の荷重を二重樋状案内部材によって支持する(ただし、極圧Rは、補強片を一体状に設けた筒状アームを介して、車体フレームの側壁部で支持する)ものであって、このことは本件発明の特許請求の範囲の記載から明らかであるから、仮に審決が原告の前記主張を摘示、判断しなくとも、審決の結論には影響しない。

(2)原告は、本件明細書には「二重樋状案内部材」の構成及び作用が明確に記載されていないという原告の主張に対し、審決は本件明細書に「二重樋状案内部材」の構成(その形状・構造、車体フレームの下側の横方向にどのように配設されるのか等)が本件明細書に記載されているか否かについての判断を明確に示していないと主張する。

しかしながら、本件明細書によれば、本件発明が要旨とする「二重樋状案内部材」が、各案内路に挿入された2本の水平ビームを互いに反対方向に伸縮案内する作用を行う部材であるが、挿入される水平ビームの断面が長方形状である以上、「二重樋状案内部材」の断面が長方形状に構成されるべきことは容易に理解し得るところである。そして、後記のとおり、「筒状アームの底板下面」が「水平ビームの頂壁の受面」となるのであるから、二重樋状案内部材の断面が「頂部の開放する」形状であることも明らかであって、二重樋状案内部材の構成及び作用に関する審決の判断に誤りはない。

この点について、原告は、本件明細書には「かすがい状支持部材」がなければ車体の荷重を支持し得ない実施例しか示されていないところ、審決は「かすがい状支持部材」がない場合の「二重樋状案内部材」の構成が不明確であるという原告の主張に対し全く判断を示していない旨主張する。

しかしながら、本件発明が車体の荷重をどのようにして「二重樋状案内部材」で支持するか、「二重樋状案内部材」を車体フレームへどのように取り付けるかを解決すべき技術的課題とするものでないことは前記のとおりである。そして、当該発明が特微とする構成以外の点に係る特許請求の範囲の記載を簡略化することは通常行われているところであるから、審決がこの点に関する判断を示さなかったことは、その結論に影響を及ぼすものではない。

(3)原告は、本件明細書においては筒状アームの配設構成及び作用が不明確であるという原告の主張に対し、審決は全く判断を示していない旨主張する。

しかしながら、当業者ならば、本件発明が要旨とする「二重樋状案内部材の両案内路の互いに対向する一端部上側位に、(中略)筒状アームを配し」の意味が、「二重樋状案内部材」の2つの案内路のそれぞれ一方の端部の上側の、前記伸縮案内の作用を妨げない位置(すなわち、水平ビームの頂壁とほぼ等高の位置)に、筒状アームの底板下面が位置するように筒状アームを配設することであると容易に理解し得る。したがって、審決がこの点に関する判断を示さなかったことは、その結論に影響を友ぼすものではない。

2  取消事由2(判断の誤り)について

(1)原告は、「二重樋状案内部材」が果たす機能が明らかにされても、その構成を明瞭に理解することはできないから、原告の主張〈1〉aに係る審決の判断は誤りである旨主張する。

しかしながら、本件明細書の「二重樋状案内部材の案内路に挿入した水平ビームを、互いに反対方向に伸長させ、(中略)従来のトラッククレーンにおけるアウトリガと同様な作用をする」(6欄26行ないし32行)との記載によれば、本件発明が要旨とする二重樋状案内部材が両案内路に水平ビームを互いに反対方向に伸縮案内する構成のものであることは十分に理解し得る。そして、挿入される水平ビームの断面が長方形状である以上、二重樋状案内部材の断面も(頂部の開放する)長方形状であることは明らかであるから、原告の上記主張は当たらない。

(2)原告は、「かすがい状支持部材」の存在を前提とする実施例を示す図面を援用した審決の説示のみでは、「かすがい状支持部材」が存在しない場合に「二重樋状案内部材」がいかなる長さのもので、車体フレーム下側にどのように取り付けられるのか明らかにならないから、原告の主張〈1〉bに係る審決の判断は誤りである旨主張する。

しかしながら、実施例として記載されている二重樋状案内部材と共通するものが本件発明が要旨とする二重樋状案内部材に該当することは当然として、いかなる構成のものが本件発明が要旨とする二重樋状案内部材に該当するかは、本件発明の技術的範囲の解釈の問題であるから、原告の上記主張は当たらない。

(3)原告は、審決における原告の主張〈1〉cの摘示は不正確であり、かつ、そこに示されている説示は、「かすがい状支持部材」を必須の構成要件としない本件発明において「二重樋状案内部材の両案内路の互いに対向する一端部上側位に、(中略)筒状アームを配し」の構成がいかなるものであるかを明らかにするものではなく、誤りである旨主張する。

しかしながら、当業者ならば、本件発明が要旨とする「二重樋状案内部材の両案内路の互いに対向する一端部上側位に、(中略)筒状アームを配し」の意味が、「二重樋状案内部材」の2つの案内路のそれぞれ一方の端部の上側の、前記伸縮案内の作用を妨げない位置(すなわち、水平ビームの頂壁とほぼ等高の位置)に、筒状アームの底板下面が位置するように筒状アームを配設することであると容易に理解し得ることは前記のとおりであるから、原告の上記主張も失当である。

第4  証拠関係

証拠関係は、本件訴訟記録中の書証目録記載のとおりであるから、これをここに引用する。

理由

第1  請求原因1(特許庁における手続の経緯)、2(本件発明、の要旨)及び3(審決の理由の要点)は、当事者間に争いがない。

第2  そこで、原告主張の審決取消事由の当否を検討する。

1  成立に争いのない甲第3号証(特許出願公告公報、特許法第64条の規定による補正の掲載)によれば、本件明細書には、本件発明の技術的課題(目的)、構成及び作用効果が次のように記載されていることが認められる(別紙図面参照)。

(1)技術的課題(目的)

本件発明は、トラッククレーンにおけるアウトリガに関するものである(公報2欄1行、2行)。

トラッククレーン等の特殊車両における従来のアウトリガとしては、例えば第9図ないし第12図に示すようなものがある(同2欄4行ないし6行)。

しかしながら、このような従来のアウ要トリガは、水平ビーム30端部の伸縮支脚4に発生する反力Pを、水平基筒31、箱状ブラケット32、ブラケット33を介して車体フレーム1側に伝達し、かつ、張出し時における水平ビーム30と水平基筒31間に発生する強大な曲げモーメントを車体フレーム1側に伝達する構成のものであるので、各部、ことに水平基筒31全体を肉厚にする必要があり、その結果、アウトリガ全体の重量増、ひいてはトラッククレーンの荷役能力の低下を招く等の問題点があった(同4欄15行ないし5欄15行)。

また、水平基筒31内に水平ビーム30を格納し、水平ビーム30の端部に設けた伸縮支脚4を車巾B内に納めようとすると、水平基筒31の長さEが、車巾Bから少なくとも伸縮支脚4の外径dの2倍を引いた長さになるので、水平ビーム30、30の最大伸長量が減少し、ひいてはトラククレーンの限界転倒モーメントが相対的に減少し、荷役作業時、ことに伸縮ブーム28の起伏角θの小さい範囲におけるトラッククレーンの支承安定性が低下するという問題点もあった(同5欄16行ないし33行。補正の掲載の記3行目)。」

(2)構成

本件発明は、上記の技術的課題を解決するために、その要旨とする構成を採用したものである(公報1欄2行ないし25行)。

(3)作用効果

本件発明によれば、

〈1〉 底板端部に外開き切欠を有し、端部が車巾一杯に延びる筒状アームの基部を車体フレーム側部に設けたから、端部に伸縮支脚付水平ビームを車巾内に格納できる

〈2〉 筒状アーム端部の側板下部に、水平ビーム頂部の受面付補強片を一体状に設けたから、筒状アームの底板端部に外開き切欠を設けたにもかかわらず、筒状アーム端部の充分な曲げ剛性を確保できる

〈3〉 アウトリガの最小縮小巾の増大を招くことなく、筒状アーム端部の曲げ剛性を確保できるから、水平ビームの伸長時における伸縮支脚の最大スパンを従来例より増大でき、トラッククレーンの限界転倒モーメントが増大し、安全荷役作業領域が増大する

との作用効果を得ることができる(公報10欄32行ないし11欄4行)。

2  特許法29条1項柱書の規定違反の判断について

原告は、本件発明のアウトリガは「かずがい状支持部材」がなければ車体の荷重を支持することができないにもかかわらず、本件発明は「かすがい状支持部材」を必須の構成要件としていないから産業上利用することができない未完成のものであって、本件特許は特許法29条1項柱書の規定に違反してなされたものであるという原告の主張に対し、審決は全く判断を示していない旨主張する。

検討するに、成立に争いのない甲第6号証によれば、原告が審判手続において提出した「審判事件弁駁書」の8頁12行ないし10頁1行には、別紙「(Ⅱ-1-7)本件特許の新たな無効事由について」のとおりの記載が存することが認められる。この記載には、本件出願が特許法36条5項あるいは4項に規定する要件を満たしていない旨の主張(以下、「法36条違反の主張」という。)のほかに、本件発明の特許請求の範囲が「トラッククレーンにおけるアウトリガ」を構成する必須の要件である「かすがい状支持部材」を欠如していることを理由として、本件発明は未完成であって産業上利用することができず、本件特許は同法29条1項柱書の規定に違反してされた旨の主張(以下、「発明未完成の主張」という。)が含まれていることは明らかである。そして、上記主張に係る事由は特許法123条1項1号(平成6年法律第116号による改正前の規定)に該当するから、適法な特許無効事由であることはいうまでもない。したがって、審決には、原告の法36条達反の主張に対する判断に先立って、原告の発明未完成の主張を的確に摘示し、これに対する判断を示す必要がある。

しかるに、前記「審決の理由の要点」に記載のとおり、審決には、原告の発明未完成の主張の摘示も、これに対する判断も、全く示されていない。そうすると、審決は、審判手続において適法に主張された特許無効事由についての判断を遺脱したものといわざるを得ない。

この点について、被告は、明細書あるいは図面の記載不備は当該発明が完成していることを前提としてのみ問題となることを考えれば、本件明細書について記載不備の有無を検討している審決の判断が本件発明は完成したものであることを前提としてなされていることは明らかである旨主張する。

しかしながら、審判合議体が原告の発明未完成の主張について所要の審理を行ったならば、原告の特許無効審判請求は成り立たないとした審決の結論が異なる蓋然性が全くないとはいえない(本件発明の技術的課題との関連において「かすがい状支持部材」を必須の構成要件とする必要があるか等が検討されて、初めて判断の結論が示されるのであって、上記課題をどのように理解するかによっては、審決の結論が異なってくる可能性がないとはいえない)以上、原告は、発明未完成の主張について専門行政庁である特許庁の審理を受け、明確な判断を受ける利益を奪われたといわざるを得ないから、被告の上記主張を採用することは相当でない。

また、被告は、原告の発明未完成の主張の論拠は法36条違反の主張の論拠と表裏一体のものであるから、審決は原告の発明未完成の主張は当たらない旨の判断を間接的ながら示している旨主張する。

しかしながら、ある発明が産業上利用できる完成したものであるか否かの判断と、当該発明が産業上利用できる完成したものであることを前提とし、その特許出願か法36条4項あるいは5項に規定する要件を満たしているか否かの判断とは、いうまでもなく別個の観点から行われるものであって、これら2つの判断が表裏一体のものと考えることはできない。現に、本件において、審決は、本件発明が要旨とする「二重樋状案内部材」の構成及び作用に関する本件明細書の記載に不備はない旨説示しているが、この説示が、「本件発明のアウトリガは「かすがい状支持部材」がなければ車体の荷重を支持することができないにもかかわらず、本件発明は「かすがい状支持部材」を必須の構成要件としていないから、本件発明は産業上利用することができない未完成のものである」旨の原告の発明未完成の主張に対して、間接的にせよ、何らかの判断を示していると解する余地がないことは明らかである。

さらに、被告は、本件発明は車体の荷重を二重樋状案内部材によって支持するものであって、このことは本件発明の特許請求の範囲の記載から明らかであるから、仮に審決が原告の発明未完成の主張を摘示、判断しなくとも、審決の結論に影響しない旨主張するが、本件訴訟において審決が判断していないこのような主張の当否を判断することは、当事者に保障されている専門行政庁である特許庁の審理判断を受ける利益からみて相当でないから、被告の上記主張は採用できない。

以上のとおりであるから、審決には特許審判事件において請求人が適法になした主張について判断を遺脱した誤りがあり、その誤りは審決の結論に影響を及ぼす蓋然性があるものと認められるから、審決は違法として取り消されるべきである。

第3  よらて、審決の違法を理由にその取消しを求める原告の本訴請求は、その余の点を判断するまでもなく正当であるからこれを認容することとし、訴訟費用の負担につ要いて行政事件訴訟法7条、民事訴訟法89条を通用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 竹田稔 裁判官 春日民雄 裁判官 持本健司)

別紙

(Ⅱ-1-7)本件特許の新たな無効事由について

以上の論証から既に明らかであるように、本件特許発明における「二重樋状案内部材」は、本来「かすがい状支持部材」とともに存在してこそはじめて技術的な存在意義があるにもかかわらず、現在の特許請求の範囲においてはこの「かすがい状支持部材」が限定されていない。本件特許明細書と図面によって開示されている内容(符号23を付したものをもって「二重樋状案内部材」とする)からみれば、同開示にかかる本件特許発明においては、この「かすがい状支持部材」がない場合には、車体の荷重を支持することができない(すなわち「トラッククレーンのアウトリガ」として成立しない)。又、この「かすがい状支持部材」がなくても車体の荷重を支持することかできるようにした実施例は何ら開示されていない。そして、本件特許明細書で開示されている「二重樋状案内部材」は、「水平ビームの案内機能」とともに「かすがい状支持部材の振れ止め機能」を奏するものとして記述された実施例のみがあり、「かすがい状支持部材」とは無関係に「水平ビームの案内機能」のみを奏するものとして記述された実施例は開示されていない。

このように、本件特許明細書と図面においては、「二重樋状案内部材」が「かす がい状支持部材」と無関係で、同「二重樋状案内部材」が単独に存在した場合の作用、効果については一切の記述がない。又、「かすがい状支持部材」がなくてもよいとした場合には「二重樋状案内部材」はどのような構造になるのか、にっいて記述した実施例の開示もない。

なお、請求人は、審判請求書においては、本件特許発明中の「二重樋状案内部材」の構成が不明瞭である点を指摘するとともに、その必然の結果として、「二重樋状案内部材の両案内路」、「同案内路の一端部」及び「同案内路の一端部上側位」等々についても、その意味が不明である、と指摘した。

これに対して、被請求人は、答弁書の第11頁第3行~末行の(9-3-2)項において答弁主張を述べているが、同答弁をみても本件特許発明における「二重樋状案内部材」やその「両案内路」等の意味が明らかになっている訳ではない。

繰り返し述べるように、本件特許発明においては、「かすがい状支持部材」が存在しない状態における「二重樋状案内部材」の態様が一切例示されておらず、もし、「かすがい状支持部材」がなくとも本件特許発明が成立するというのであれば、その場合(かすがい状支持部材がない場合)においては「二重樋状案内部材」がどのような具体的形状をとるのか、又その場合の「二重樋状案内部材」の「案内路の一端部」あるいは「一端部上側位」というのはどこをいうのか、等々について現在の明細書及び図面には、その理解の助けとなるような記載が全くみられないのである。

このように、本件特許は、「二重樋状案内部材」とともにあるべき「かすがい状支持部材」が特許請求の範囲中に記載されていないことに基ずく違法、すなわち、本件特許発明の「トラッククレーンのアウトリガ」を構成するべき必須の要素(かすがい状支持部材)が欠如している違法(発明未完成であって産業上利用することのできないもの、すなわち、特許法第29条第1項柱書違反、又は必須の構成要件不備、すなわち、特許法第36条第5項違反)か、もしくは「かすがい状支持部材」がない場合における「二重樋状案内部材」の構成が不明瞭であることに基ずく違法(特許法第36条第4項違反)を包含しており、このままの状態で適法に存続することの許されないものであると思料する。

そして、本件特許が、特許法第29条違反を包含する場合は同法第123条第1項第1号に該当し、又同特許が同法第36条第4項又は第5項違反を包含する場合は同第123条第1項第3号に該当し、いづれの場合にも本件特許は無効とされるべきであると思料する。

別紙図面

図面はこの発明に係るトラツククレーンにおけるアウトリガの一実施例を示すもので、第1図はその要部を一部を切除して示す平面図(第3図のY-Y断面図)、第2図はその平面図、第3図はアウトリガ格納時の縦断正面図(第2図のX-X線図)、第4図はそのアウトリガの張出時の縦断面図、第5図は第4図のZ-Z断面図、第6図及び第7図はその水平ビーム支持部材の正面図及び平面図、第8図は第6図のW-W断面図、第9図及び第10図は従来のトラツククレーンハ側面図及び平面図、第11図はそのアウトリガの正面図、第12図は第11図のU-U断面図である。

1……直体フレーム、1B……側壁、3……水平ビーム、4、5……仲縮支脚、7……筒状アーム、9…底板、12……隔壁板、13……切欠、14、15……補強片、14A、15A……受而、14B、15B……ガイド片、23……二重樋状案内部材、23D……案内路。

〈省略〉

1……車体フレーム

1B……側壁

3……水平ビーム

4……油圧シリンダ(伸縮支脚)

7……筒状アーム

9……底板

12……隔壁板

13……切欠

14、15……補強片

23……二重樋状案内部材

〈省略〉

1……車体フレーム

1B……側壁

3……水平ビーム

4……油圧シリンダ(伸縮支脚)

7……筒状アーム

9……底板

12……隔壁板

13……切欠

14、15……補強片

14A、15A……受面

14B、15B……ガイド片

23……二重樋状案内部材

23……二重極状案内部材

23D……案内路

〈省略〉

1……車体フレーム

1B……側壁

3……水平ビーム

4……油圧シリンダ(伸縮支脚)

1……車体フレーム

1B……側壁

4……油圧シリンダ(伸縮支脚)

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